札幌の某FM放送局で私の占いコーナーを新設したいという申し出があり、今日はその初会合のために札幌まで車で出掛けた。午後4時の約束なので、2時間45分あれば余裕で到着すると思いニセコを出たが、札幌市内に入ってから渋滞がひどく、30分以上も遅刻をしてしまった。札幌市内がこれほど交通渋滞するとは知らなかった。東京でもここまでの渋滞にはほとんど遭遇したことがない。お会いした方たちの話では、月末の金曜日ということで、これは特別なのだそうだ。
打合せは順調に進み、放送は週一回で、基本的に電話回線を利用して、リスナーの方と私が直接お話をするという形式がとられることになった。これなら私が東京にいてもニセコにいても、その他の場所にいてもOKだ。そして、2ヶ月か3ヶ月に一度は、私が札幌のスタジオに足を運び、特別番組を組みましょうということになった。放送は、いつからスタートするかは未定だが、10月からになりそうだ。
以前、札幌TVに7年間レギュラー出演をしていた関係で、北海道には私に親しみを感じてくださっている方が多い。ラジオというメディアでまた、札幌の方々とコミュニケーションができるようになることは、とても楽しみだ。
打合せの後は、この新番組のスポンサーとなられる会社の社長ご夫妻に招かれ、とても美味しい「懐石風日本そば」をご馳走になった。懐石風と勝手に命名してしまったが、少量ずつのお蕎麦に、山芋はもとよりイクラ、甘エビ、数の子、カニといった海の幸が添えられ、それをお蕎麦と一緒にそばつゆでいただく。私は、いわゆる「蕎麦通」ではないので、お蕎麦そのものの味を云々できないが、このような発想の蕎麦料理は初めて! でも、目でも楽しめ、舌でも楽しめて、なかなかおつなものだった。
さて、この晩餐のあとは、社長ご夫妻に私のマネージャーが待つ札幌パークホテルまでお送りいただいたのだが、そこで偶然、豊平川の花火大会に出会ってしまった。この花火、パークホテルの所からもよく見えて、通行人の人たちが足を止めて、一斉に空を見上げている。私も次々と打ち上げられる大輪の花火が夜空にはじけ散る様を、しばし我を忘れて見入ってしまった。
花火大会と言えば、いろいろな意味で忘れられない思い出がある。話が少々長くなるのをお許しいただいて、その10数年前の経験をお話すると、それはある地方都市で行われた花火大会だった。ある会社のご招待で、私は列車に乗って、いそいそとその会場に出向いた。たくさんの見物人で溢れかえる河原に、その会社の方が花火見物には絶好の場所を確保しておいてくださった。
その場所というのが見晴らしの良い土手で、傾斜角度は30度ぐらいあったのかしら?
そこにシートが敷き詰められていた。ところがこの傾斜がけっこう辛い。なにしろ足をふんばっていないと、体がずるずる、ずるずると少しずつずり落ちていく。当然、私の少し下の位置にも人がいるから、気を抜けば衝突してしまう。おまけに花火は頭上であるから、3時間余りの間、顔を上に向け両足をふんばって、下に少しずり落ちてはお尻をずり上げ、落ちてはずり上げを繰り返していた。
ところで、その花火大会の花火には、全てそれぞれスポンサーがついていて、各花火を打ち上げる前に必ず「次は○○会社様ご提供の○尺玉○発」というアナウンスが入るのだ。つまり、花火と花火の間に欠かさずアナウンスが流れるために、花火がテンポよく次々上がっていく豪快さにちょっと欠けるのね。しかも、その夜は上空に風がなかった。そのために花火の煙が空に充満し、最後の1時間はその煙で花火が霞んで見えるといったあんばい。最後のほうのスポンサーさんはお気の毒だったわよね。
それ以来、花火大会には行っていないが、今日、偶然に観た札幌の花火はなかなか良かった。スポンサー名をアナウンスすることもなく、豪勢に次々と打ち上げ、これぞ花火大会と言えるような威勢の良さ! 疲れがいっぺんに吹き飛んだ。
そんなわけで、ニセコには深夜に帰り着き、それから原稿を1本と「今日の運勢」を執筆。またしても夜が白々と明けてしまった。