「土用（どよう）」とは、「節分」、「彼岸」、「八十八夜」などと同じ雑節のひとつ。二十四節気の小暑（7月7日ごろ）から13日目からが土用となる。

土用は本来、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を指し、1年に4回あるが、今日では一般に「土用」と言えば夏の時期を指し、土用の最初の日を「土用の入り」と言い、7月19日ごろから8月6日ごろを土用と呼んでいる。

つまり、夏たけなわという時期にあたり、誰もが暑さで食欲も落ち、夏バテ気味になることから、土用の中でも特に「丑（うし）の日」には、滋養に富んだウナギを食べるという習慣がある。

これは、江戸時代の識者として有名な平賀源内が近所の鰻屋に販売促進用の看板を頼まれ、「今日は丑（うし）の日」と書いたことから、それが評判となり「土用の丑の日にはｳﾅｷﾞを食べる」という習慣が広まり、今日まで伝わっている。平賀源内は、まさに当時の名コピーライターでもあった訳である。